よくあるご質問

Q&A

このページは、良くあるご質問に対しての回答を記してあります。
これからも必要に応じて項目もふやしていきますので、なにかヒントを見出して頂ければ幸いです。詳しいご質問がございましたら、お問い合わせページにてお気軽にご相談ください。


 Q. 「神経科」と「精神科」とはどう違うのですか?

A.一般的には軽いノイローゼや不眠症は神経科で、精神分裂病や躁うつ病などの重い病気は精神科で診るという思い込みがあるようです。診療科目に「神経科」と「精神科」を分けている厚生省に問い合わせたところはっきりとした回答は得られませんでした。精神科専門医の立場からすると軽いものから重いものまで精神疾患のすべてを対象としますので、厳密な区別はありません。



 Q.  こころの病気にはどんな種類があるのですか?

A. 3大精神病といわれる精神分裂病、躁うつ病、てんかんのほか、非定形精神病、神経症、心身症、人格障害、アルコール依存症、その他の中毒精神病、器質性精神障害、老年期精神障害、児童神経症、児童精神病、児童の器質性脳疾患、精神遅滞(精神薄弱)などがあり、それぞれの疾患について様々なタイプ分類や下位分類がなされています。厳密には国際疾病分類により詳しく定義されています。



 Q.  こころのどこが病気になるのですか?

A. 人のこころのはたらき(精神機能)についてはわからないことが多いのですが、従来から患者さんを観察することにより、欠落した機能や正常人がもちえない機能などを調べ次の8つの精神機能を分けました。すなわち意識、意欲、記憶知能、知覚、自我意識、思考、感情です。精神疾患はこの8つの精神機能の内どの機能がどの程度障害されているかで病名が決まってきます。例えば分裂病は意欲、感情、思考、知覚および自我意識が障害されますが、意識、記憶、知能は障害されません。躁うつ病は感情、思考、意欲が障害されますがその外の機能は障害されません。もちろん実際にはそれほどクリアーカットにはいきませんが精神疾患をわかりやすく表現できると思います。



 Q.  神経科ってどんなことを相談できるの?

A. 日常の生活の中で困っていること、特にこころのもちようによって起こる様々な問題を解消するための相談に応じます。例えば、気分が落ち込んでいる、やる気がおきない、食欲がない、すぐに寝つけない、寝ても早く目が覚めてしまいその後眠れずイライラしてしまう、感情のコントロールができない、不安で一人で外出できない、何度も戸締りなどの確認をしないと安心できない、ある特別の物や事柄について恐怖感があるなど。



 Q.  神経科に行くほどじゃないと思うけど、診てもらう基準なんてありますか?

A. 心の問題は病気と捉えにくいところがあります。困難な状況を自分の力で何とか乗り越えることができたときには問題はないのですが、乗り越えられそうになく、また実際にそのストレスで身動きがとれなくなった場合、一人で苦しんでいるより誰かに援助を依頼した方が得策だと思います。そういう意味で、専門医を受診すると時間とエネルギーの節約になります。



 Q.  検査をしても異常ないといわれたけど、体調が思わしくないのです。
    なぜですか?

A. ストレスはあらゆる身体状況をひきおこす可能性があります。身体的に思い当たる原因がなくて、しかも検査を受けても異常がないとすれば、体調が思わしくないのは精神的ストレスによるものと思ったほうがいいでしょう。神経科ではまず苦痛を取り除くために、対症療法としての薬物療法をおこないます。併せて心の状態やストレス環境の調整をしていくことで症状の改善をはかります。例えば、胃が痛い、むかむかして吐き気がする、すぐ下痢をしてしまう、頭痛がひどい、めまいやふらつきがある、暑いわけじゃないのに手のひらや腋の下に汗をかく、蕁麻疹がでやすいアレルギー体質である、過呼吸発作をおこしたことがある、便秘しやすい、過食が止まらない、食べなくても平気、食べない方が調子がいいなどは、精神的な原因を考えて対処したほうがいいでしょう。



 Q.  心身症って、どんな病気なんですか?

A. 身体の病気に診断をつけたり治療を進めるに際して、その患者さんの心理的背景を特に考慮しなければ治療がうまく進まない病気を『心身症』といいます。例えば胃、十二指腸潰瘍、本能性高血圧症などが典型的です、最初は内科などを受診することが多く、身体疾患としての特徴をもち、治療によって良くなるのですが、再発を繰り返しやすくなかなか完治しないことがあります。このような場合には、患者さんのこころのどこかにストレスがあって治療を妨げている場合が考えられますので、心理的、神経科的アプローチが必要になります。心身症はあくまで身体疾患なのです。



 Q.  治療費ってどれくらいかかりますか?

A. 診療は予約診療(カウンセリング)を含め、すべて保険診療で行っています。例えば、3割負担の方の場合、診療時で20才以上の方は、2,760円、20才未満の方は、3,360円になります。(H19.3月現在) お薬は薬局でお求めいただきますので、クリニックでは診療費と処方箋料だけの金額です。



 Q.  誰にも知られたくないんだけど大丈夫?

A. 医療従事者は守秘義務というのがあります。診療で知りえた情報を他言することはありません。ご本人の了解がなければ家族の方と云えどもプライベートなことはお話ししません。また、診療室は防音設備を施していますので外部にお話しが漏れることはありません。



 Q.  会社に知られないか心配です。

A. 保険診療というのは自己負担額以外の部分を保険者に請求するということです。保険者は会社の保険組合であったり、政府管轄の社会保険事務所になり、会社とは別に独立したものです。そのような保険に関わる仕事にも守秘義務があり、そこで知りえた情報について漏らすことは法律違反になります。故意に調べようと思ったら可能かも知れませんが、そのような行為は犯罪です。同僚や上司の耳に入ることは、まずありえないと思います。

症状について


 Q. 自分ではそんなにひどくないと思っていますが、最近ねつけないことが多くお酒を飲んで寝ています。睡眠薬はくせになり止められなくなると聞いたのですが…?

A.アルコールは一時的に有効な場合がありますが、徐々に効果がなくなりしだいに酒量が増えて依存症になる危険性があります。そうなると肝機能障害やアルコール性脳障害などを引き起こし新たな問題が起こってきます。最近の睡眠薬は専門医の指示を守って服用すればほとんど依存はなく、より自然な睡眠を誘い、肝臓その他の臓器障害を起こすこともほとんどありません。



 Q.  高校生の息子が最近成績が落ち学校に行かなくなりました。自分の部屋に閉じこもって昼間からカーテンを引き、ひとりごとのように何かブツブツいっておりときどき大声で怒鳴ったりする声がきこえます。部屋の中は乱雑でだらしなくまるで別人になったようです。どうしたらいいのかわからないのですが?

A. 精神分裂病又は薬物依存の可能性があります。ひとりごとは幻聴と対話している可能性があります。専門医の診察が必要です。



 Q.  親の跡を継ぎ夫と二人で商売をしています。おとなしかった夫が最近多弁になり、取引先とトラブルをおこしたり金遣いがあらくなり、注意すると怒るようになり、夢のような計画をまじめにいうので仕方なく賛成すると別の金儲けの話しになったり、いってることがころころと変わります。落ち着きなく夜も寝ないで遊びまわりじっとしていません。まわりの知人から躁うつ病ではないかといわれたのですが?

A. ほかの診断も否定できませんが躁うつ病(躁状態)の可能性がおおきいと思います。専門医の診察が必要ですが本人は病識がないため受診しないときは家族の相談から治療に導入します。



 Q.  22才のOLです。最近失恋しました。太っているからだと思い、痩せようと努力するのですが好きな食物をみるとつい我慢できず食べてしまいます。友達から吐くことを教わりさらにたくさん食べるようになりました。でも吐いたあと自己嫌悪に陥り、イライラしてまた食べてしまいます。自分がコントロールできずこれではいけないと思うのですが…。

A. 摂食障害の初期だとおもわれます。放っておくと生理が止まり肌があれ頭髪が抜け落ち無欲状態となり、栄養失調で死亡することもあります。早期に治療を始めたほうがいいと思います。



 Q.  不況がながびきうちの会社でも3割の社員が退職勧告を受けました。さいわい私は免れたのですが、その分仕事が多くなり、毎日残業で心身ともに疲れはて不眠が続いています。そのせいか頭の回転が鈍く記憶力も落ちたようで新聞を読んでも頭に入らず何度も同じ箇所を読んでいる始末です。また以前ほど仕事に意欲が湧かず、なにをするにもおっくうとなり、楽しかったことが楽しくなくなり、イライラしたり将来を悲観するようになり、いっそのこと死んだほうが楽になるのではないかとまで思うようになりました。責任感は強く仕事はきちんとやらないと気が済まないほうで、上司の信頼も厚いため頼まれると断れずつい自分に無理を強いてしまいます。食欲もなく体重も減ったためどこか悪いのかと思い病院に行ったのですが、検査の結果はとりたてて異常はないというのです。精神的なものの可能性があるから神経科を受診するようにいわれたのですが…

A. うつ病の可能性があります。薬物療法にて症状はほぼ改善するでしょう。しかし性格的に問題があり、性格を改善していくトレーニングは続けなければ再燃してくる可能性があります。専門医の指導のもと早期に治療を始めたほうがいいとおもいます。



 Q.  74才になる姑のことで困っています。長男の嫁として親の面倒をみることは当然のこととして覚悟していたのですが、この数年、特におじいちゃんが2年前に亡くなってから急にぼけがひどくなり、財布がない預金通帳がないと騒ぎだし自分がしまった所を忘れ私がとった盗んだと責めたてます。いっしょに捜すとたいていタンスのなかにしまいこんでいるのですが、見つかってもとぼけて謝ろうとはしません。また昼食後30分もしないのに“お昼はまだかい?”と真顔でいってきます。さっき食べたばかりでしょといっても食べてないといいはります。もともと社交的でそとづらがよく出かけることの好きな人で、一人で出歩くのはいいのですが自分がどこにいるのかわからなくなり、交番で保護しているから迎えにきて欲しいと連絡が入ることがたび重なり、迷子札を付けようとするのですがみっともないといって嫌がりほとほと困ってしまいます。どうしたらよいのでしょうか。

A. 記銘力障害と時間や場所の見当識障害が認められます。老人性痴呆といってもまだ早期だと思われ、精神機能すべてがダメになっているわけではありませんので、まだら痴呆ともいいます。自覚的に本人はなんとなくおかしいとか頭の中がすっきりしないといった訴えをすることがあり、この場合薬物療法が比較的有効なことがあります。今後のこともあり、専門医に相談されることを勧めます。

心について


 Q. こころって一体なんなのですか?

A. 精神医学も心理学も大脳生理学もその解明のためにこれまで研究が続けられてきており、これからも続けられていきます。また宗教もその答えを別の方法論で求めています。その結果少しずつそのメカニズムが解明されてきていますが、包括的にすべてを完璧に説明できるものはありません。だからこそたくさんの学説や理論があり、いろんな宗派があるのです。そしてそのどれが正しいのかは誰にも解りません。
しかし自分なりの答えを持っていると少なくともこころが安心しますので、参考のために私の答えの一部を簡単に述べてみます。

精神の座が脳にあることは証明されていますので、脳を壮大な機能をもつ生物コンピュータと考えることができます。そしてこれは受精に始まり誕生、成長、成熟、退行、老化、そして死に至る人の一生のすべてをコントロールする機能中枢でもあります。その中で脳実質はハードウェア、特に神経細胞はコンピュータチップ(プロセッサー)に相当し、多彩な精神機能はそれぞれのソフトウェアに相当します。

脳の神経細胞は成長するに従い、人として生きて行くために必要なプログラムを収容できる容量を確保するためにその数を増やし、その処理能力を増していきます。そして3才の頃までに約140億の神経細胞が完成すると数による処理能力の増加は限界に達し、あとは学習による精神機能の発達すなわちソフトウェアの増加を待たねばなりません。
生まれ落ちた時から人は外界の情報をインプットし続けます。胎内にいるころから外界の音や光に反応するともいわれています。普通コンピュータの場合、情報はキーボードから入力されますが、人はキーボードのかわりに視覚、聴覚などの五感といわれるセンサーを通して外界の情報をインプットして、自らのプログラムをつくりソフトウェアを組立て、情報処理して記憶に留め、必要に応じてアウトプットすなわち行動を起こすのです。

乳児期
は一般的にはほとんど母親と過ごすため、母親の与える情報を無批判に受け入れてしまい、その人の根底にあるプログラムを作成しこれを基本ソフトとしてそれ以後のプログラム作成傾向に影響をあたえます。そしてこれがその人の性格の基本構造となります。
幼児期になると母親以外の人との接触が多くなり、公園で友達と遊んだり喧嘩をしたり、保育園や幼稚園に通うようになるとみんなで歌を歌ったりお遊戯をしたりして、先生の指導のもとに集団のなかでの役割分担を覚え、人とのかかわりの中でいかにして自分を主張していくかといった社会性というプログラムの一部が入力されます。この時期のおもなプログラムソースは両親以外に先生とお友達です。

学童期になるといまの日本では特に、知識を覚えることが重視される傾向にあるため、この時期に獲得すべきほかのプログラムがおろそかになりがちです。すなわち優しさ、思いやり、友情などの肯定的なプログラムの他に、大人になるために一番必要な自立心や独立心といわれるプログラムです。もちろん知識はとても大切なプログラムですが、諸外国と比べてもその量が必要以上に多く、その程度も必要以上に高いようです。与えられた知識をすんなりと吸収できる人は良いのですが、そうでない人がそう出来ないと知識を覚えることのみに時間を費やしてしまい、他のプログラムを入力する時間がないまま次のステップに進んでしまい、バランスのとれないソフトウェアが出来上がってしまいます。

思春期になると異性に対して興味を持ち始め、すでに子孫に遺伝的情報を伝える準備を整えます。この頃はプログラムソースが広がり、より多彩になります。興味の対象も広がり、自分の存在を核として対外的には社会構造、文化、歴史、政治、経済に至り、また自分という内的世界に収束して自我の存在を意識し始めいわゆる反抗期を迎えます。親からすると今まで素直にいうこときいた子供が急に反抗的になり戸惑ってしまいますが、これはその人がそれまで収集してきた外界の情報と、それを組み立ててつくりあげたソフトウェアのすべてをもとに、これからの自分の進むべき方向を決定する精神の革命なのですから、痛みを伴い、不安感や無力感、虚脱感などが錯綜することになります。これを乗り越えると自我が確立し精神的安定を保てるようになるのです。

青年期、壮年期にはより複雑な情報を処理、加工、伝達できる能力が増加し、年月をかけて蓄積してきたプログラムを利用してより高度な能力を発揮します。しかしこの頃からすでに140億の神経細胞は少しずつ死滅して、徐々にその数が減少していきます。一日数千〜数万個、酒やたばこを飲み過ぎると数十万個の神経細胞が死んでいき、かわりに支持組織であるグリア細胞にとって代わられます。この細胞の働きはよく解っていませんが、神経細胞より小さいため全体として脳実質は小さくなります。

成熟期に至りその後退行、老化により脳実質はしだいに萎縮し衰退していきますが、衰退してもある程度まで処理能力が落ちないのは外界からの情報を取入れプログラムを増やし、脱落しないで残った神経細胞の機能をソフトウェアの面で強化することにより、また成熟することで神経細胞の樹状突起の数が増え、他の神経細胞との連結(シナプス)が増えることにより、処理能力が高まり全体としての機能を維持しているからです。しかしソフトウェアとしての精神機能のバックアップにも限界があり、ハードウエアとしての脳の老化によりしだいに脳実質が萎縮していくと、本来その人の持つ精神機能がしだいに失われいわゆる痴呆状態になっていきます。そして最終的には死に至るのです。

このように考えていくと、脳という巨大なスーパーコンピュータが人の一生をコントロールしているのがよく解ります。人は幸せにその生涯を送るようプログラムされているはずですが、多くの人々がそうではない現実があります。それは間違ったプログラムを知らず知らずに入力してしまったことによるのではないでしょうか。わたしの精神療法はこの間違ったプログラムを正しいプログラムに訂正していく作業なのです。普通のコンピュータは、一度プログラムを訂正すればすぐ正しいプログラムとして作動しますが、人の場合生物コンピュータとしての特性があるため、神経細胞に新しいプログラムを入力するには繰り返し学習し続けなければ記憶しないという特性があります。時間はかかりますが必ず間違ったプログラムは訂正することができるのです。