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心について|荒川区西日暮里の神経科・心療内科・内科

心について

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心について

こころって一体なんなのですか?
精神医学も心理学も大脳生理学もその解明のためにこれまで研究が続けられてきており、これからも続けられていきます。また宗教もその答えを別の方法論で求めています。その結果少しずつそのメカニズムが解明されてきていますが、包括的にすべてを完璧に説明できるものはありません。だからこそたくさんの学説や理論があり、いろんな宗派があるのです。そしてそのどれが正しいのかは誰にも解りません。
しかし自分なりの答えを持っていると少なくともこころが安心しますので、参考のために私の答えの一部を簡単に述べてみます。

精神の座が脳にあることは証明されていますので、脳を壮大な機能をもつ生物コンピュータと考えることができます。そしてこれは受精に始まり誕生、成長、成熟、退行、老化、そして死に至る人の一生のすべてをコントロールする機能中枢でもあります。その中で脳実質はハードウェア、特に神経細胞はコンピュータチップ(プロセッサー)に相当し、多彩な精神機能はそれぞれのソフトウェアに相当します。

脳の神経細胞は成長するに従い、人として生きて行くために必要なプログラムを収容できる容量を確保するためにその数を増やし、その処理能力を増していきます。そして3才の頃までに約140億の神経細胞が完成すると数による処理能力の増加は限界に達し、あとは学習による精神機能の発達すなわちソフトウェアの増加を待たねばなりません。
生まれ落ちた時から人は外界の情報をインプットし続けます。胎内にいるころから外界の音や光に反応するともいわれています。普通コンピュータの場合、情報はキーボードから入力されますが、人はキーボードのかわりに視覚、聴覚などの五感といわれるセンサーを通して外界の情報をインプットして、自らのプログラムをつくりソフトウェアを組立て、情報処理して記憶に留め、必要に応じてアウトプットすなわち行動を起こすのです。

乳児期は一般的にはほとんど母親と過ごすため、母親の与える情報を無批判に受け入れてしまい、その人の根底にあるプログラムを作成しこれを基本ソフトとしてそれ以後のプログラム作成傾向に影響をあたえます。そしてこれがその人の性格の基本構造となります。
幼児期になると母親以外の人との接触が多くなり、公園で友達と遊んだり喧嘩をしたり、保育園や幼稚園に通うようになるとみんなで歌を歌ったりお遊戯をしたりして、先生の指導のもとに集団のなかでの役割分担を覚え、人とのかかわりの中でいかにして自分を主張していくかといった社会性というプログラムの一部が入力されます。この時期のおもなプログラムソースは両親以外に先生とお友達です。

学童期になるといまの日本では特に、知識を覚えることが重視される傾向にあるため、この時期に獲得すべきほかのプログラムがおろそかになりがちです。すなわち優しさ、思いやり、友情などの肯定的なプログラムの他に、大人になるために一番必要な自立心や独立心といわれるプログラムです。もちろん知識はとても大切なプログラムですが、諸外国と比べてもその量が必要以上に多く、その程度も必要以上に高いようです。与えられた知識をすんなりと吸収できる人は良いのですが、そうでない人がそう出来ないと知識を覚えることのみに時間を費やしてしまい、他のプログラムを入力する時間がないまま次のステップに進んでしまい、バランスのとれないソフトウェアが出来上がってしまいます。

思春期になると異性に対して興味を持ち始め、すでに子孫に遺伝的情報を伝える準備を整えます。この頃はプログラムソースが広がり、より多彩になります。興味の対象も広がり、自分の存在を核として対外的には社会構造、文化、歴史、政治、経済に至り、また自分という内的世界に収束して自我の存在を意識し始めいわゆる反抗期を迎えます。親からすると今まで素直にいうこときいた子供が急に反抗的になり戸惑ってしまいますが、これはその人がそれまで収集してきた外界の情報と、それを組み立ててつくりあげたソフトウェアのすべてをもとに、これからの自分の進むべき方向を決定する精神の革命なのですから、痛みを伴い、不安感や無力感、虚脱感などが錯綜することになります。これを乗り越えると自我が確立し精神的安定を保てるようになるのです。

青年期、壮年期にはより複雑な情報を処理、加工、伝達できる能力が増加し、年月をかけて蓄積してきたプログラムを利用してより高度な能力を発揮します。しかしこの頃からすでに140億の神経細胞は少しずつ死滅して、徐々にその数が減少していきます。一日数千~数万個、酒やたばこを飲み過ぎると数十万個の神経細胞が死んでいき、かわりに支持組織であるグリア細胞にとって代わられます。この細胞の働きはよく解っていませんが、神経細胞より小さいため全体として脳実質は小さくなります。

成熟期に至りその後退行、老化により脳実質はしだいに萎縮し衰退していきますが、衰退してもある程度まで処理能力が落ちないのは外界からの情報を取入れプログラムを増やし、脱落しないで残った神経細胞の機能をソフトウェアの面で強化することにより、また成熟することで神経細胞の樹状突起の数が増え、他の神経細胞との連結(シナプス)が増えることにより、処理能力が高まり全体としての機能を維持しているからです。しかしソフトウェアとしての精神機能のバックアップにも限界があり、ハードウエアとしての脳の老化によりしだいに脳実質が萎縮していくと、本来その人の持つ精神機能がしだいに失われいわゆる痴呆状態になっていきます。そして最終的には死に至るのです。

このように考えていくと、脳という巨大なスーパーコンピュータが人の一生をコントロールしているのがよく解ります。人は幸せにその生涯を送るようプログラムされているはずですが、多くの人々がそうではない現実があります。それは間違ったプログラムを知らず知らずに入力してしまったことによるのではないでしょうか。わたしの精神療法はこの間違ったプログラムを正しいプログラムに訂正していく作業なのです。普通のコンピュータは、一度プログラムを訂正すればすぐ正しいプログラムとして作動しますが、人の場合生物コンピュータとしての特性があるため、神経細胞に新しいプログラムを入力するには繰り返し学習し続けなければ記憶しないという特性があります。時間はかかりますが必ず間違ったプログラムは訂正することができるのです。
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